プロのライターは「コレ」を持っている
「書く仕事がしたい!」とか、「プロのライターになってバリバリ活躍したい!」という人をたくさん見てきた。
数年経ってからその人に会うと、なぜかライターになっていなかったり、ちょっと仕事をしてみたものの、すぐにやめている。
そこそこ文章力のある人や、私なんかよりずっと優秀な人が多いのに、なんで?
ずっと、それが疑問だった。
でも最近、ライターになれる人となれない人(なってもつづかない人)の違いが見えてきた。
才能があるとかないとか、そういう問題ではない。
そもそも才能なんて、ごく限られた一部の人しか与えられていない。
「書く仕事」に携わる人のほとんどは、たいして才能のない自分を感じながら、地道に努力しているんだと思う。
となると、努力の差?
これも、あんまりピンとこない。
もちろん努力は必要だし、自分の持てる力を精一杯使うことは大事だけど、それだけではないような気がする。
プロのライターとして仕事をつづけられる人は、ワクワク感を持っているのだ。
コレを書きたい、書かずにいられない、そんなふうに湧いてくる思い。
そして、「何を書くか」を見つけるワクワク感。
あっ、コレっておもしろいかもとか、なんでこんなことになってるのとか、もう少しコレを調べてみようかとか、そういうものに出会うと、ものすごくワクワクするのだ。
ただしそのとき、「自分にとっておもしろい」のではなく、「コレは読者にとっておもしろいか」、「読者の役に立つか」という視点を持てるのがプロ。
別の言い方をすると、「自分にとってはあたりまえで、たいしておもしろくない」と思っていることが、別の角度から見ると、「いや、それ、おもしろいんじゃない?」となる可能性もあるわけで…。
要はひとつの物事を、あっちからもこっちからも、裏から横から下から、いろいろな視点で見て、「あっ、コレを読者に伝えたい」と見つけるワクワク感を持てるか、ということになるのだと思う。
でも、そのワクワク感にたどり着く前に、「アタシ、才能がないんです」とか、「書きたいテーマが見つかりません」などとあっさり投げ出してしまう人がとても多い。
あー、もったいない。
少し視点を切り替えれば、こんなテーマも、あんなテーマも書ける人たちなのに…。
才能や努力とは別のワクワク感を知ってほしくて、小さな小さなライター養成講座をはじめて4年目。
マンツーマンの個人塾なので派手さはまったくないけれど、「書く仕事」に必要なスキル、発想、意識、姿勢、ブランディングなどを徹底的に、決して出し惜しみせず伝えている。
最初はワクワク感など「?」だった人が、自分のテーマをしっかりと持ち、ライターとしてのスタンス、プロ意識を高めていくのを見るのがうれしい。
もちろん私も勉強と努力を怠らず、たくさんのワクワクを見つけて、これからも読者の方たちに届けたいと思う。