石川結貴の講演テーマ「児童虐待・子どもの貧困問題について考える」
講演テーマ:児童虐待・子どもの貧困問題について考える
このページでは、児童虐待や子どもの貧困問題に関する講演会の開催を検討中の方に向けて、石川結貴の講演をお選びになる際のポイントをまとめました。
このテーマに適した石川結貴の著書
演題例
講演会に人を集めるには、演題(講演タイトル)の役割も重要です。
参加者にとってキャッチーであり、参加してみたいと思えるタイトル案もご提案いたします。
- 「孤立と虐待のない街づくり~傷つく子どもを救うためにできること」
- 「無縁化する子どもたち~虐待と貧困の現場から」
- 「親子が笑顔で向き合う子育て」
- 「子どもが輝く未来を創るために~児童虐待防止と家族の幸せを考える」
この講演テーマを選ぶときのチェックポイント
講演会を主催する方にとっては、企画段階でどのような講演テーマを選べばいいのか、迷われることが多いかと思います。
時事的な背景や話題性も必要ですが、参加者の方が何を知りたいか? どんな内容なら響くか? に重きを置くことをお勧めします。
満足度の高い講演会を実施するためのチェックポイントをまとめましたので、参考になさってください。
- 児童虐待防止のための啓発をしたい
- 子どもの貧困問題についての理解を深めたい
- 子どもの人権を守るための活動を推進したい
- 虐待や貧困で苦しむ子どもの将来や、世代間連鎖の問題を考えたい
- 児童虐待をする親の心理や生活状況はどうなっているのか
- 学校や保育所で何をすればいいのか教えてほしい
- 児童相談所や児童養護施設について情報がほしい
- 地域の問題として児童虐待を考える機会を設けたい
- 取材に基づいた話、現実的な内容を話してほしい
- 最近の子育てや親子関係、家庭崩壊の背景について教えてほしい
児童虐待防止や子どもの貧困問題について考えたい、取材に基づいた現場報告、地域や関係機関の取り組みなどについて知りたい方は、石川結貴の講演会をぜひご検討ください。
「わかりやすい」、「飽きない」、「気づける」
講演会の中身とは?
講演会を検討中の方、興味や関心をお持ちの方は必見!
過去10年、全国500箇所以上に赴いた石川結貴の講演会、その一部内容を以下にご紹介します。
講演会でお話しする内容を「耳で聞く」のではなく
「目で読む」イメージです。
演題「孤立と虐待のない街づくり~傷つく子どもを救うためにできること」
身近にある児童虐待
2017年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は、13万件を超えました。少子化で子どもの数が減っているにもかかわらず、虐待によって苦しむ子ども、虐待をしてしまう親の数は右肩上がりで増えています。
「虐待」と聞いたとき、たいていの人は「子どもがかわいそう」、「鬼のような親がいる」などと感じます。
一方で、「でも自分は虐待されたこともないし、したこともない」、「どこか遠い世界の話」のようにも捉えがちです。
でも、児童虐待は本当に「遠い世界の話」でしょうか。
気づいていないだけで、実はあなたの近くにも、虐待によって苦しんでいる子どもがいるかもしれません。
ある小学生の男の子は、休日になると朝から近所の友達の家に上がり込みます。子ども同士で遊ぶのはいいのですが、昼時になっても自宅に帰ろうとしません。
その家のお母さんが、「もうお昼だから、一度家に帰ったら?」と言っても「僕、おなかすいてないから平気」などと平然と居座るのです。
仕方なく昼食を出して我が子と一緒に食べさせますが、結局夕方になってまた昼時と同じ状況になる。つまり、帰ろうとせずに居座ったままです。
その地域では「なんてずうずうしい子なんだ」と噂になり、「あの子が来ても家に入れてはダメだよ」と厄介者扱いするようになりました。
ところがその男の子は家庭でネグレクト(育児放棄)されていて、「目障りだから外に行け、帰ってくるな」と鍵も持たされずに追い出されていたのです。
「厄介者」と疎まれている子が、実は虐待の被害者。
残念ながらこうした事例はたくさんあります。
あなたが気づいていないだけで、すぐ近くに虐待や貧困で苦しんでいる子どもがいるかもしれません。
「失われた子ども時代」が人の一生に及ぼす影響
児童虐待というと、「子どもが傷つく問題」と考えがちです。確かにその通りですが、虐待の問題は「子ども時代」だけでは終わりません。
おとなになってから虐待によるさまざまな問題が噴出し、一生苦しむ、ずっとつらい状況を抱える人がたくさんいます。
たとえば「就労」の問題です。
崩壊した家庭環境で育てられた子どもは、勉強や生活習慣などを親から教えてもらえず、学校生活にうまく適応できないことが少なくありません。
基本的な学力、他者への適切な接し方、社会常識などを持たないまま、おとなになってしまいます。
そうした人が18歳くらいになって、「さぁ社会で働こう」と思っても、うまく就労できません。
当人に「働く気持ち」があっても、学力や社会常識のない人は企業のほうが受け入れてくれないのです。
「履歴書って何?」、「契約書に書かれている漢字が読めない」、「敬語がわからない」、取材先ではこうした声をよく聞きます。
本人はがんばりたいと思っても、がんばるために必要な力を与えられなかったため、先ほどの男の子の例のように社会の「厄介者」になってしまうのです。
本来、子ども時代に身につけるはずの基本的な生活能力(学力や生活習慣、社会常識など)がない人は、結果的に社会に適応できず、より困難な状況に陥ることがあります。
大切な子ども時代を、虐待や貧困によって「失う」ということは、人の一生に深刻な影響を及ぼしかねない。
だからこそ、一刻も早く子どもたちを救い、支えていくことが大切なのです(※1)。
親たちの不安定な生活
児童虐待の問題を考えるときに大切なのは、「親の状況」を知ることです。子どもたちが傷ついているのはみずから進んでそうなっているのではなく、親が傷つけているわけです。
では親はなぜそんなことをするのか、彼らの心理や生活状況はどうなっているのか、この視点が欠かせません。
私は不安定な生活状況のまま、各地を転々とする人たちへの取材をしてきました。
あるお母さんは母子家庭で子どもを育てていましたが、非正規雇用で収入が減り、住んでいたアパートの家賃が払えなくなってしまいました。
頼れる身内や友人もいない、行政の窓口に相談に行きたくても休日や夜間は閉まっている。
たまたまインターネットで知り合った男性のマンションに母子で転がり込みましたが、その男性が子どもを虐待し、大けがを負わせてしまいました。
お母さんはすくに救急車を呼ぼうとしましたが、男性に止められます。
「おまえが転がり込んできたからこうなった。責任はおまえにあるのに、俺を犯罪者にするのか」とすごい剣幕で怒られ、パニックに陥ってしまいます。
「この子はもう助からない。死んだら箱に詰めて山に捨てろ」と言われ、一旦はそうするしかないと思いますが、寸前で我に返り救急車を呼びました。
残念ながらその子は亡くなってしまい、お母さんと男性は逮捕され、裁判になりました。
私はその裁判を取材し、密室の中で何があったのか、一連の事情を講演でお話しています。
けれどももしそのとき、男性の言うまま「箱に詰めて山に捨てる」という選択をしていたら、今でもその子は発見されていないかもしれません。
こんなふうに、実際にはどこにいってしまったかわからない子ども、「所在不明」のまま放置されている子どもがたくさんいます。
こうした子どもたちの実態を本にも書いていますが(※2)、不安定な生活状況に陥る親たちの問題を考えないと、真に虐待防止にはなりません。
傷つく子どもを救うために、できることがある
児童虐待に心を痛め、「何かしたい」と思っている方はたくさんいます。
でも、何をどうしたらいいのかわからない、そう思ってなかなか動き出せない人もまたたくさんいます。
実際には誰でもできることが、いくつもあります。
たとえば「子育て相談ダイヤル」などの行政からの告知情報(広報紙やポスターなど)を、「目につきやすい場所」に貼る。
コンビニ、駅のトイレ、バス停、スーパーの袋詰めの台、地域のゴミ収集場、とにかく人が日常で利用するような場所に「相談情報」を告知するのです。
その際、「秘密は守られる」、「相談料は無料」、「必ず力になります」といった文言も一緒に表示します。
相談が無料って、そんなのあたりまえじゃないか、と思われるかもしれません。
けれどもこうした「社会常識」を知らない人がいて、だからこそ虐待などの問題につながる可能性が高いことを忘れないでください。
また、何かしたい、助けたい、その気持ちは大切ですが、「一方通行」にならないようにしてほしいです。
「あなたはできないでしょ? だから私がやってあげるわ」、「こんなこともできないからこうなるのよ。教えてあげる」
こんなふうに、「やってあげる側」は、つい「上から目線」になりがちです。
悪気はなく、それどころか「善意」のつもりでも、相手にとってはどうでしょうか。
そもそも、助けを必要としている人は、どんな気持ちや状況にあるでしょう?
「お金がない」、「学力がない」、「身内を頼れない」、「子どもを育てる自信がない」、「生きる意欲が持てない」
こんなふうに「ないない尽くし」だからこそ、助けが必要なわけです。
困難な状況にある人は、心の奥にコンプレックスや恥ずかしい気持ち、情けない思いを抱えています。
できれば人に頼りたくなどないけれど、やむなくそういう状況になってしまったとき、相手から「上から目線」で言われたら、なおさら惨めになるかもしれません。
それが結局、「だから他人には相談できない」、「バカにされる」、「私の気持ちなんてわかってもらえない」とより心を閉ざす結果になってしまう。
親がそう思うのは仕方ない面もあるでしょうが、そこには「子ども」がいるのです。
親を遠ざけてしまうことで、子どもがもっと危機的な状況に陥るかもしれません(※3)。
誰かを助けるには「想像力」が欠かせない
傷つく子ども、あるいは子どもを傷つけてしまう親を助ける際に必要なことはいつくかありますが、その中でも私が特に強調したいのは「想像力」です。
今では各種の公的相談窓口があり、さまざまな支援策も用意されている。だから窓口に来てくれれば助けられる、そう考える行政関係者や支援者、市民の方はたくさんいます。
その通りなのですが、では窓口に来る人はどんな状況でしょうか?
電車やバスに乗るのなら、お金が必要です。
平日しか開庁していないなら、職種によっては仕事を休まなくてはなりません。非正規雇用の人はそのぶん収入が減ってしまい、場合によっては解雇される恐れもあります。
小さな子どもがいる人は、子どもをどこかに預けなくてはならないかもしれません。その預け先がなかったら、どうすればいいでしょうか。
身体的な病気や精神疾患で外出ができない人は、どうしたらいいでしょうか。
「相談に来てください」と言うのは簡単ですが、その窓口を必要としている人は、「ないない尽くし」かもしれないのです。
そういう相手の状況や気持ちに対する想像力がなければ、結局は支援につながってくれません。
「相談に行きたいけれど、行くために必要なお金や時間がない」、そういう人がいるかもしれないという想像力を持てば、また違った対応、行動が生まれてきます。
困難を抱える家族を救うために、制度や法律の整備はもちろん大切です。
けれどもそれを運用し、実際に手の届く、現実的な助けを出せる人がいなければ、本当の意味で問題は解消されません。
私の講演では、虐待や貧困の現場を取材した豊富な取材例とともに、具体的な実践方法、社会を変えていくための提言もしています。
ひとりでも多くの人がこの問題に関心を持つことが、苦しんでいる子どもや親を救うことにつながります。
子どもを守ることに関心のある方、児童虐待や貧困問題について考えたい方は、ぜひ講演会で実際の話をお聞きになってください。
※1 講演では被虐待経験を持つ人たちのその後について公開
※2「ルポ 子どもの無縁社会」(中公新書ラクレ) 「ルポ 居所不明児童~消えた子どもたち」(ちくま新書)
※3 講演では 実際の取材例や最近の動向について報告
このテーマの講演を開催した主催者様の声
石川結貴に講演をご依頼くださった理由をうかがいました。
このテーマの講演実績(直近のみ)
- 2021.6.22 静岡県静岡市にて講演会「孤立と虐待のない街づくり」主催/静岡市清水区民生児童委員協議会
- 2020.11.1 新潟県柏崎市にて講演会「親子が笑顔で向き合う子育て~孤立と虐待のない街づくり」主催/柏崎市
- 2019.12.6 神奈川県横浜市にて講演会「孤立と虐待のない街づくり」主催/横浜市泉区
- 2019.11.17 東京都目黒区にて講演会「孤立と虐待のない街づくり」主催/目黒区男女共同参画課
- 2019.10.19 千葉県香取市にて講演会「増え続ける児童虐待について考える」主催/千葉県保育協議会香取支会
- 2019.10.10 山口県山口市にて講演会「子どもが輝く未来を創るために~児童虐待防止と家族の幸せを考える」主催/山口県
- 2019.9.1 福島県いわき市「孤立と虐待のない街づくり」主催/いわき市教育委員会
- 2019.6.11 長野県伊那市「孤立と虐待のない街づくり」主催/伊那市民生児童委員協議会
- 2019.3.27 大阪府枚方市「孤立と虐待のない街づくり」主催/枚方市民生委員児童委員連絡協議会
- 2018.12.07 愛媛県松山市「孤立と虐待のない街づくり~無縁化する子どもを支えるためにできること」主催/愛媛県人権協会
- 2018.12.02 熊本県山鹿市「孤立と虐待のない街づくり」主催/山鹿市役所
- 2018.10.28 広島県世羅町「親子が笑顔で向き合う子育て~虐待のない地域づくり」主催/世羅町
- 2018.10.20 広島県福山市「消えた子どもたち~虐待と貧困の現場で何が起きているか」主催/樹徳学区人権啓発推進協議会
- 2018.10.14 静岡県静岡市「崩壊家庭の子どもたち~傷つく子どもを支えるためにできること」主催/静岡県里親連合会
- 2018.9.10 茨城県つくば市「無縁化する子どもたち~傷つけられる子どもたちに起きていること」主催/社会福祉法人同仁会
講演のお問い合わせ
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