プロの一瞬
フジテレビ系列で放映中の『ほんまでっか?! TV』という番組の収録がありました(オンエアは6月5日です)。
私が出演したのは、「同じ穴」という短いコーナーですが、とにかくビックリしたのは司会を務める明石家さんまさんはじめ、レギュラー陣のすごさ。
この番組、視聴率が高いそうです。
出演のオファーをいただいたとき、私なんかに務まるだろうか、と不安になりました。
私は根が真面目、「キャラ」的にもバラエティには向いてないんじゃないか、と思ったからです。
当日は、所属するプロダクションのマネージャーさんが同行してくれたのですが、打ち合わせのときからヒザが震える…(苦笑)。
メイクをしていても、笑顔が引きつってる感じです…。
「自然体でいいんです。楽しんでください!」とマネージャーさんに励まされ、いざスタジオへ。
一緒にゲスト出演する専門家(番組内では評論家と呼ばれています)はみんな女性でしたが、すでに何回も収録経験している人が、こんなアドバイスをくれました。
「司会のさんまさんがすごいから、身を任せていればいいのよ。無理して自分を作ったりせず、いつものままでいれば、さんまさんが引き出してくれますから」と。
その言葉どおりでした。
収録がはじまると、さんまさんのすごさを目の当たりにしたんです。
…で、どんなふうにすごいのかを書きたいところですが、放映前なのでネタバレ禁止ですね(汗)。
中途半端なレポートですみません。
私が、さんまさんやレギュラー陣からどんなふうに「いじられた」かは、番組の中でご確認ください。
ところで、この「いじり」、もちろんシナリオなどなく、一瞬の掛け合いです。
さんまさんや出演者の方たちの、瞬時に反応するすごさ、言葉の使い方、空気の読み方、ゲストの盛り上げ方、どれも「プロだなぁ」と実感させられました。
もうひとつ、これは番組には直接関係のないことですが、以前読んだ雑誌に、こんなエピソードが載っていたことを思い出しました。
さんまさんが信号待ちをしていたとき、女子高生のような若い女の子が「おっ、さんまやんか」と絡んできたそうです。
あれこれと難癖をつけた挙句、いきなりさんまさんのお尻を蹴った。
それに対して、さんまさんは「ナイスキック!」と返して、笑いながら横断歩道を渡っていった、こんなエピソードです。
なぜ「ナイスキック!」と笑っていられたのかを問われ、さんまさんはこんなふうに答えたと記憶しています。
「相手は若い女の子やし。まともに立ち向かって、俺がやり返したら後々面倒や。笑って許したほうがいいと、一瞬で判断した」
このエピソードを読んだときには、「そんなうまくいくの?」と半信半疑でしたが、実際になまのさんまさんを見て、「ああ、この人ならできるだろう」と思いました。
仕事で学ばせてもらい、それはまた別の仕事でお返ししよう――、そう思いながら、スタジオを後にしました。