企画会議のつづきは、身近な発見から

居酒屋の個室にデーンと構える熟女5人。

私が専念講師を務める石川結貴ライティング通信講座の修了生たちとのひとときです。

懇親会を兼ねて、企画の打ち合わせをするはずが、お酒とおいしい食事を前に話は脱線、また脱線…。
昔から「女三人寄ればかしましい」と言いますが、5人も揃えばそれはもう話が尽きません。

とはいえ、単に(オバ)女子会をやっているわけではなく、各自でアイディアを出し合い、どう企画に結び付けていくか、いろいろな方向から検討します。

こうした会のいいところは、自分ひとりで煮詰まっていたテーマを、別の人の視点からアドバイスをもらえること。

なんやかんやと講師の私がついしゃしゃり出てしまうのですが、その私自身、みんなと一緒に頭をひねることであらたな気づきや発見があります。
 
この夜は、週刊誌の企画について話し合いました。

新しい発想、おもしろい切り口、まだ誰も書いていない原稿…。

そんなふうに考えると、なんだかすごくむずかしい気になりますが、実際のところ、ヒントはごく身近にあるのです。

たとえば電車の車内広告に目を留めて、そこから企画を作っていく、などということもできます。

具体的にどう作っていくかは、この夜の(オバ)女子会でアドバイスしましたが、私の話を聞いたみんなの目が輝き、やる気に満ちていたのがとてもうれしかったです。

私も少しずつ仕事の経験を積み、同時に年齢も重ねて、気づけば自分より経験の浅い人に「教える」という立場になりました。

正直、おこがましいかな、と思う部分はありますが、一方で自分が得てきた技術や創意工夫を別の人に伝えていくことも大切ではないか、という気もします。

日頃の買い物、たとえばスーパーで食材を買ったりするときはしっかり財布のひもを締めるケチな私ですが、仕事上必要なものにはお金を惜しまず、また仕事で大切なことを教えるときにも決して出し惜しみはしません。

気づいてほしいこと、知っておいてほしいことは山ほどあります。

でも、楽しい時間ほど早く過ぎてしまい、まとまらなかった企画は各自お持ち帰り…。

私たちのようなアラフィフ女子は、「仕事」だけに時間を費やすことはなかなかできません。

家に帰って洗濯物を畳んだり、翌朝のお米を研いだり、子どものお弁当のおかずを下ごしらえしたり、親の介護があったり、そんな現実を抱えています。

楽しいひとときの余韻を引きずる間もなく、「お持ち帰り」した企画の話をひとまず棚に上げて、まずは家事を片付けなくてはならなかったりします。

それを「不利」だとか、「不満」で終わりにしたら、女がすたるというもの。

家事や子育て、介護といった生活部分と仕事をどう両立させていくか。限られた時間をあれこれ工夫して見えるものがあるはずです。

…で、それを企画にすると、こんな感じ?

「忙し女子のための時間活用術~夜の10分掃除で劇的きれいなキッチンまわり」

ちょっとタイトルがダサイですね…(苦笑)。

でも、こんなふうに身近な生活や体験から、あらたな発想は生み出されます。

そしてそれこそが、生活と仕事の両方を背負って生きる女の強みのように思うのです。