書店に平積みされた新刊

4月8日、私の22冊目の著作「ルポ 妻が心を病みました」(ポプラ新書)が発売されました。

長年、家族問題をテーマに取材をしてきて、いくつもの「外に出にくい問題」を見てきましたが、心の病もそのひとつです。

心の病というと、どうしてもサラリーマンのうつ病といったところにスポットが当たりがちですが、実はうつ病は20代から80代の全世代において、男性より女性の患者さんのほうが多い病気です。

特に、子育て世代の30代では、女性が男性の約1.4倍という患者数。

妻や母親という立場にある女性が心の病になったとき、家事や子育て、夫婦や親子の関係はどうなる? そんな問題を追ったのが今度の本です。

女性の心の病を取り上げていますが、取材したのは男性、つまり夫側です。

仕事に忙殺され、過酷な労働環境にいる彼らは、「心を病んだ妻」にさまざまな思いを抱きます。

妻の病気を受け入れられなかったり、家事や子育ての負担に追い詰められたり、ときには自分自身の仕事を失ってしまうこともあります。

治療法や病気の経過、薬の効用などの情報はたくさん出回っていますが、毎日の「生活」をどうすればいいのか、この切実な情報は少ないように思います。

たとえば奥さんが急に入院することになったとき、子ども(乳幼児)の預け先はどうすればいいのか。

緊急に保育園に入園できたり、実家の協力が得られる人はいいですが、子どもの世話をしてくれる人が見つからなければ夫は仕事に行けません…。

そんな日常の問題に直面した人たちの姿を通じて、今、心の病に苦しむ家族が少しでも前に進む道を見つけてほしい、そう願いながら原稿を書き上げました。

東京駅近くの書店さんに立ち寄ったら、私の本が平積みされていました(写真は書店さんの許可を取って撮影)。

こんなふうに平積みされる本は、日々刊行される書籍のほんの一握り。

書店さんの限られた平積みスペースに置いていただいて、本当にありがたいことだと思っています。

ちなみにこの書店さんは、近隣のオフィス街で働くサラリーマンの方がたくさん立ち寄られています。

もしも自分の妻が心を病んだら、そのときどう向き合っていけばいいのか…、そんな思いを抱く方に読んでいただければうれしいです。