「出会い」っておもしろい

「仕事で韓国に行くので、その帰りに日本に3日滞在します。よかったらランチでもご一緒しませんか」
そんなお誘いがあって以来、私のテンションは上がる、上がる…。

誘ってくれたのは、私が専任講師を務める石川結貴プロフェッショナルライター養成講座の第3期生で、ハワイ在住のジャーナリスト・並木則子さん。

実は彼女、私の講座を受講する前は、アメリカCNN、ABCでニュースプロデューサーをしていた。

…と、書くとすごいキャリアウーマンって印象だけど、実際の彼女はとても気さくで腰の低い、まさに「能ある鷹は爪を隠す」のステキな女性だ。

彼女はテレビ業界からいったん離れて私の講座で「書く」勉強を重ねる一方、ご主人と会社を作り、グローバル企業のメディア対応コンサルティングもはじめた。

今回は、韓国の某大企業での仕事の帰り、日本に滞在するので「ご一緒しませんか」という話だったのだ。

うれしーい! とるんるん(古っ)していた前日、電話があって「ビルも一緒に行っていいですか」とのこと。ビルとは彼女のご主人で、アメリカCNN、ABC、そしてブルームバーグと超一流企業で活躍されてきた方。

アメリカテレビ業界の最高の賞、エミー賞まで受賞されている、「Oh―――!!」と叫びたくなるようなデキる男性だ。

待ち合わせたのは浅草・雷門前。実は並木さん、この浅草近くで生まれ育ったチャキチャキの江戸っ子なのだ。

彼女を案内人に(ぜいたく…)、ビルと私の3人でおいしい懐石料理を食べた。

並木さんもすばらしい女性だが、ご主人のビルも本当にnice guyだ。

優しいオーラが出まくりで、ランチのお店を出る際にはさりげなく私にコートを着せてくれる!

こんなレディファーストを経験したのは生まれてはじめてだったので、ミーハーな私はすっかり舞い上がっていた。

その後、女二人だけで浅草の街をぶらぶらと歩いた。

もちろん、ああでもない、こうでもない、とひたすらしゃべりながら(苦笑)。

とあるバッグ店での呼び込みに足を止めた私たち。

「店内、全品、ただいまの時間だけ3000円ー!」

「うぉー、安ぅーーー!」とオバサン丸出しで店に入り、そろってオレンジ色の革製バッグを購入。

そう、一見華やかに見えるキャリアウーマンの実態って、こんなもんです…。

それにしても、人と人との出会い、縁って不思議だ。

並木さんは私の講座のホームページを見つけて受講してくれたのだが、その確率はいったいどれほどのものだっただろう。

ホームページを見つけるだけでもたぶん相当低い確率なのに、そこから受講(しかもハワイで)、修了、そしてその後のおつきあいと、考えてみたら偶然に偶然が重なって、何か人知を超えた力を感じる。

その上、ビルとも会えて、またひとつ心からうれしいつながりを得た。やっぱり、「人は財産」という気がしてならない。

今度は私がハワイに行って再会したいが、実は今まで一度もハワイに行ったことがない…。

仕事、家事、子育てに追われてきた今までの日々へのご褒美として、1回くらいはハワイに行っても許されるよね、きっと。

出会いを生かして、出会いがふくらんでこそ、人生はおもしろいのだから。